サイエンスキャッスル

ベネッセこども基金D&I賞

ベネッセこども基金D&I賞は応募を締め切りました。

公益財団法人ベネッセこども基金は「未来ある子どもたちが、安心して学習に取り組める環境のもとで、自ら可能性を広げられる社会」の実現に向けた支援を行ってきました。中高生による自分を対象とした研究を応援し、一人ひとりが自ら世界を変える一歩を踏み出す支援をします。安心して自分らしく研究に取り組めるようなコミュニケーションや発表環境を作り、 前例のない個性や感性あふれる研究アイデアにも専門性のあるメンターが伴走します。

募集テーマ

対象分野:自分自身の特性やマイノリティ性に着目したあらゆる開発や研究

募集テーマ例:

● 自分のマイノリティだからこそ見つけられた課題を解決したい。
● 雑音のある場所で友達との会話に集中できないので、集中できる方法を見つけたい。
● 外に出たくない日があるのはなぜか。
● 食べられるものが限られている。それでも家族や友達と楽しんで 遊びにいける食環境をつくりたい。
● 発話以外の方法で考えていることを伝えたい。 自分にあった伝え方を見つけたい。
● 外泊すると眠れなくなる。眠れるようになるための方法を見つけたい。

※センシティブな内容の場合は、WEB掲載や発表の際には、生徒の名前をオープンにせずペンネームを使用することもできます。
※ 申請者が持つ特性に合わせてフォローの方法を考えますので不安点はお気軽にご相談ください
※ 申請書を作成するところからサポートします。

担当者より一言

中高生のみなさん、モヤモヤしてますか?もしかしたら、その気持ちをとことん研究してみたら、周囲や社会が変わる第一歩につながるかも知れません。研究なんてしたことない…なんて人もメンターが一緒だから大丈夫。ご応募お待ちしてます!

概要

募集対象 研究活動を行う中学生、高校生、 高等専門学校生(3年生以下)
聴覚障害や視覚障害をお持ちの方も申請可能です。(その他申請者の特性で不安点あればご相談ください)
使用用途 研究開発に要する経費(材料費、部品等購入費、設備費、交通費等。ただし、飲食代は除く)
研究支援期間 2023年9月〜2024年3月
担当者の想い 取材記事はこちら
説明会 今回募集する研究の内容や対象についてもう少し詳しく知りたい方、ご質問のある方は、ぜひオンライン説明会にご参加ください。

日程: 6月28日(水)17:00-18:00

対象: 教員、保護者の方など

内容:

・本研究費の趣旨説明

・研究者講演

・研究費のエントリーの仕方

・質疑応答

講演者:

筑波大学 設楽明寿 氏

触覚を標準に 〜競技スポーツにおける触覚スタート技術の実用化〜

設楽氏は、耳の聞こえないアスリートためののオリンピック「デフリンピック」に自ら参加したアスリートでありながら、その中で感じた課題の解決のためにものづくりをしている研究者です。本説明会では、「触覚を標準に 〜競技スポーツにおける触覚スタート技術の実用化〜」と題して、自分研究の先輩としてご講演をいただきます。

参加費: 無料


お申し込みはこちら


リバネスID にログインしてから「お申し込みはこちら」をクリックしてください。
申請方法 申請方法 の詳細をご確認の上、 こちらの申請ページ より研究内容の記述と申請をすすめてください。
パートナー 公益財団法人ベネッセこども基金

助成内容と採択数

助成内容① 研究費5万円
助成内容② 自分研究の専門家による研究メンタリング
採択件数 3名程度

申請条件

  • 申請する中学生もしくは高校生・高専生が主体的に申請すること
  • 保護者もしくは所属する学校の同意があること
  • 申請書類に記入すべき情報(連絡先等を含む)の提供が可能であること
  • 2023年9月上旬に実施するキックオフイベントに参加できること(実施日は、採択者と協議の上決定します。また、基本的には現地開催を検討しておりますが、遠方の方はオンライン参加ができるようにいたします。)
  • 原則、2023年12月に実施する中高生のための学会「サイエンスキャッスル」の関東・関西・中四国大会のいずれかに参加できること(原則、現地参加となりますが、参加方法は必要に応じてご相談ください)
  • 2024年3月に実施するオンライン成果報告会に参加できること
  • 原則、採択者の情報や研究の内容及び成果(採択者の氏名、年齢、所属学校、顔写真等の個人情報を含みます)が、公益財団法人ベネッセこども基金、株式会社リバネスが運営するWebサイト、刊行物、SNSその他媒体を問わずメディアへ掲載されることに同意いただけること。(研究内容によっては個人が特定できないよう配慮いたします。)
  • 本研究費の運営チーム(公益財団法人ベネッセこども基金ならびに、公益財団法人ベネッセこども基金が委託する外部メンター、株式会社リバネス)に申請情報が共有されることに同意できること

タイムスケジュール

募集期間 2023年6月1日(木)〜2023年7月31日(月)17:00
オンライン
説明会
2023年6月28日(水)17:00-18:00
申請締切 2023年7月31日(月)17:00
面談期間 2023年8月上旬〜中旬(オンライン面談)
採択発表 2023年9月上旬
研究費支給 2023年9月末
キックオフ 2023年9月中旬
サイエンス
キャッスル
2023年12月
成果発表会 2024年3月

申請方法

規約・募集要項の確認

規約及び本ページの募集要項を確認の上、内容に不明点がある場合はご相談ください。
サイエンスキャッスル研究費ベネッセこども基金D&I賞利用規約

リバネスIDの登録

申請を希望する中高生は、代表者かどうかに限らずチーム全員のリバネスID登録が必要になります。研究費エントリー画面はリバネスIDログイン後に表示されますので、リバネスIDに登録をお願いします。

リバネスIDの登録

 

同意書の準備

学校活動の一環として実施する場合は学校教員の同意書(学校用)を、そうでない場合はチームメンバー全員の保護責任者の同意書(個人用)を準備してください。同意書の雛形は以下からダウンロードください。
サイエンスキャッスル研究費同意書(学校用・個人用)
申請フォームより記入捺印済み書類のスキャンデータのアップロードし、原本はサイエンスキャッスル研究費担当までご郵送ください。

郵送先:株式会社リバネス 人材開発事業部 伊達山
〒162-0822 東京都新宿区下宮比町1-4 飯田橋御幸ビル5階

研究内容の記入・申請

こちらの申請ページより研究内容の記述と申請をすすめてください。

なお、本研究費の申請に際して、以下2つの項目を書く際は、以下のポイントを参考にしてみてください。

①申請項目:なぜ研究または開発を行いたいのか(代表者個人の課題意識)
<記載のポイント>
自分がどのような体験をして、どんな気持ちになったかなど、本研究のテーマに行き着いた理由を具体的に書いてください。
また、自分の中の課題や疑問をそのままにせず、研究開発に挑戦してみようと思った理由があれば、合わせて記載してください。

②申請項目:予想される成果とその意義
<記載のポイント>
研究開発結果の予想に加えて、研究開発が終わった時に申請者本人がどんな姿になっていたいのかも記載してください(支援期間に限らず、長期的な視点で結構です)。

(写真向かって左から)
公益財団法人ベネッセこども基金 事務局長
青木 智宏 氏

公益財団法人ベネッセこども 基金事務局
伊藤 愛 氏

自分らしさとあの子らしさを受け入れ合う研究を10代から

公益財団法人ベネッセこども基金は「未来ある子どもたちが、安心して学習に取り組める環境のもとで、自ら可能性を広げられる社会」の実現を目指し、子どもたちの支援に取り組んできた。今年、初めてサイエンスキャッスル研究費ベネッセこども基金D&I賞を設置し、中高生による自分を対象とした研究支援に取り組むことを決めた。一人ひとりが身近な自分を研究することが、世界を変える一歩目になると考えたからだ。

違いを理解し、助け合いを創造する

公益財団法人ベネッセこども基金(以下、こども基金)は2014年に設立された。より良い社会づくりにつながる学び支援、病気・障がいを抱える子どもの学び支援、子どもの安心・安全を守る活動、経済的困難を抱える子どもの学び支援の4つのテーマで、助成事業と自主事業を行っている。これまでの事業を通して、青木さんが感じたのは「これまでの支援は大人が見つけて大人が支援してきたが、そこに助ける人、助けられる人という関係が生まれてしまう」ということだ。そこで注目したのが、中高生による当事者研究だ。自分自身の個人的な課題だと思っていたことが、研究・発信することで周囲に理解者が増え、社会の側が変わることもある。同じような課題で苦しむ人も減るかもしれない。誰もが多かれ少なかれ感じている他者との違いを多様性(D:ダイバーシティ)として受け入れ(:Iインクルージョン)、自らの可能性を広げられる社会の実現に当事者である中高生自身に関わってほしいという想いから、サイエンスキャッスル研究費ベネッセこども基金D&I賞の設置を決めた。

違和感を客観化し、研究で世界を変える

「社会を変えるのに大人になるまで待たなくていいんです」と青木さんは声に力を入れた。大人が決めたモノサシに違和感や生きづらさを感じても、これまでは我慢するしかなかった。しかし、ベネッセこども基金D&I賞の対象分野である「自分自身の特性やマイノリティ性にに着目したあらゆる開発や研究」に取り組むことで個人が感じる課題を客観化し、問題や解決策を中高生自身が発信できるようになる。研究の対象も幅広く、自分でも言語化できていない苦しみや困りごとのパターンを客観的に観察したり、違和感ややりづらさといった内的体験に関する仮説について、科学的に分析・検証するような研究も含む。誰にとっても一番身近な興味の対象である自分に目を向けて始められる研究でありながら、自分だけの困りごとだと思っていたことが心理学、認知科学やロボット工学につながり、世界を変えるような研究に発展する可能性も秘めている。価値観の違いや、過ごしやすいと感じる環境の違いに着目すると見えてくる疑問や不思議から生まれる研究テーマは学術的にも新規性・独自性のあるものになるだろう。

自分らしい研究のための充実した支援

「ベネッセこども基金D&I賞の特徴は充実した独自の支援体制です。だからこそ、自分では『研究っぽくない』と思っていたような課題感やアイデアでも、まずは申請してみてほしいんです」と話す伊藤さん。ベネッセこども基金D&I賞では、あらゆる中高生たちが安心して自分らしく研究に取り組めるよう、メンタリングや研究発表においてニックネームやアバターが活用できる。また、本支援においては申請者の個性や感性を尊重した研究を対象とすることから、前例のないアイデアや検証法がわからないような場合も想定される。そこで専門性のあるメンターが面談を行い、初めて研究に挑戦する人も、進行中の研究をさらに専門的にすすめたい人にも、それぞれにあった研究支援を受けられるようにした。何より、普段とは異なるコミュニティの価値観を持つ人と接することが、中高生にとっての新たな気付きや居場所の発見につながるはずだ。自分を対象とした研究を始めている、あるいは気になる自分のことを研究テーマにしてみたいけどわからない、そんな中高生がいたらぜひベネッセこども基金D&I賞に応募してみてほしい。(文・伊達山泉)

募集中のサイエンスキャッスル研究費