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東京大会 発表校要旨一覧:口頭発表
2013.12.032013年度東京大会の発表テーマの要旨を公開しております。
サイエンス・キャッスルでは、当日聴講を希望する中学生・高校生や中高教員のみなさまを募集しております。以下に要旨を記載する発表を聴講できるだけでなく、研究に関わった中高生、教員と直接コミュニケーションを取ることが可能です。以下にて参加申込を受け付けております。
https://s-castle.com/castle2013/join
東京大会 口頭発表テーマの要旨一覧
サイエンス・キャッスルの口頭発表は、参加者間での研究交流をはかるため、中高生の発表に加え、指導にあたった中高教員よりコメントを頂いております。研究時の注意点や中高生の教育効果などを知る機会としてご活用下さい。
白血球貪食能の温度依存性変化~発熱は体の防御機構~(日本女子大学附属高等学校 サイエンススタジオCHIBAマスターコース(千葉大学))
活動の目的
白血球貪食能の温度依存性変化を解析することで、発熱が免疫系に与える影響を検討する。将来的な目標は、少ない負担で風邪を早く治す方法を見つけることである。
活動の概要
本研究の目的は、発熱が免疫系に与える影響を検討することである。このため、貪食の判定が可能な実験系を構築し、末梢血白血球貪食能の温度依存性変化を解析した。この結果、発熱は白血球の貪食能を上げ、体内に侵入した異物の迅速な排除を可能にすることが示唆された。また、温度依存性活性化能の違いによる貪食反応の違いを見出すなど独自の発見があった。さらに、末梢血中の多核白血球において細胞により貪食のターゲットとして認識するものが異なる可能性等が考えられた。これらのことから、発熱は免疫を活性化する体の防御機構であることが示唆された。将来的には、少ない負担で風邪を早く治す治療法の開発につなげていきたいと考えている。
相模川水系の変異原性評価(神奈川県立神奈川総合産業高等学校 「SSH課題研究Ⅰ・Ⅱ」チームエームス)
活動の目的
神奈川県の水道水の水源である相模川水系について水質を知り、水質保全について考える。
活動の概要
定期的に変異原性評価としてのAmes試験、変異原性生成能(MFP)、基礎データのアンモニア性窒素、COD、残留塩素を測定している。最初の調査で水系の8河川を調査したが、現在ではAmes試験の結果が陽性であった4河川に絞っている。この4河川についてはMFPの数値も高いことから、変異原性前駆物質の流入も考えられる。それぞれの試験には、塩基置換型及びフレームシフト型のサルモネラ菌を使用しており、いずれの河川もフレームシフト型の物質の入流が示唆されている。現在は、季節的変動や変異原性評価の指標となる基礎的な検査項目を調べるため、データの蓄積を行っている。
札幌市周辺の酸性雨調査(立命館慶祥中学校 自然科学部)
活動の目的
私たち自然科学部・化学班は、原発事故後の大気汚染について調べるために、「酸性雨」の簡易的な採取方法を検討して、実際に札幌市周辺の「酸性雨」について調査しました。
活動の概要
今年度から正式にクラブ活動として発足した化学班は、昨年度に高校生が調査した「酸性雨」の研究を引き継いでいくことにしました。
「酸性雨」の調査地点を増やすには、簡単に雨を採取する方法を決定する必要があり、私たちは2Lのペットボトルを使った簡易的な採取方法を確立しました。
私たちの学校がある札幌市・江別市付近の酸性雨を調査し、その後に調査範囲を苫小牧市に広げました。苫小牧市は火力発電所や製紙工場などがあり、化石燃料の燃焼による大気汚染が考えられる地域であり、さらに2011年3月の原発事故以来火力発電所の影響が強まっていると考えたからです。
今回は、この研究の途中経過と自然科学部の活動について報告します。
SPP連携講座「―城ヶ島の地質―」(東京都立三田高等学校 SPP参加者(1~3年生))
活動の目的
専門教員の指導の下で「三浦半島城ケ島」という身近な場所で、地球的規模で起きるプレート運動により生じる地質現象について観察・調査を実施する。
活動の概要
「SPP」は、文科省の推進する事業で、独立行政法人科学技術振興機構(JST)によって支援されるプロジェクトで、本校は7年連続で採択されています。
今年度は昨年度に引き続いて、東京学芸大学高橋修准教授を招き、SPP連携講座「付加体地質学―城ヶ島の地質―」を実施しました。昨年度城ケ島の3地点で地質柱状図を作成し、褶曲構造と層序そして堆積環境の変化について、一定の方向性を導きだすことができました。本年度は再度城ケ島で巡検を実施し、褶曲構造の走向・傾斜データを元にステレオネットによる解析作業を行い、褶曲軸の方向とプランジ角、さらにはこの地域に加わる応力方向に関する推察を行いました。
プラナリアの条件反射獲得実験(佐野日本大学高等学校 特進Activity 理香部)
活動の目的
プラナリア( Dugesia japonica )の脳は、進化学的に全生物原始であるといわれている。本研究では、プラナリアの脳の機能を解析することを目的とした。
活動の概要
私達は、プラナリアの脳機能を調査する第一段階として、条件反射を獲得させることを考えた。本研究では、最も有名な条件反射実験である“パブロフの犬”を参考にして実験を行った。プラナリアの周囲を遮光し、電気刺激と光刺激を同時に与える。プラナリアは電気刺激によって収縮反応を見せ、光刺激によっては応答を見せない。このことから、2つの刺激を同時に与え続けた後、本来なら応答を見せない光刺激のみを与え、応答の有無を確認した。
ビオトープを通じた環境への取り組み(東京家政大学附属女子中学校 ビオトープ委員会・理科部)
活動の目的
ビオトープの整備活動や学園における生き物調査、池の水質調査や生物調査を通じて、都市における自然環境と生き物とのつながりを調査する。
活動の概要
ビオトープ委員会では学内の自然環境を維持すべく、日常の整備以外にもバタフライガーデンの設置や昆虫標本の作成などを行っている。昨年は10年ぶりにジャコウアゲハの産卵が見られ、セミの抜け殻調査では種類やオス・メスの違いによる羽化の時期や羽化する場所について、一定の傾向が見られることがわかった。一方理科部ではビオトープの池の水について、pHやパックテストを用いた化学的な調査と、生物の調査を行っている。比較的閉鎖的な空間にあるビオトープの人工池にも、珪藻や繊毛虫・鞭毛虫、それを食すカワニナやメダカ、さらにそれらを捕食するヤゴやドジョウといった生物の営みを見ることができる。
日ビオトープを中心に、学内の様々な生き物について調べています。今年はセミの抜け殻を600体集めました。そこからどんなことがわかるのでしょうか??
コンクリートによるリン酸系イオンの吸着について(茨城県立緑岡高等学校 化学部)
活動の目的
東日本大震災で発生した瓦礫となったコンクリートの再利用について考える。コンクリートの吸着作用に着目し,その仕組みについて研究する。
活動の概要
昨年度はコンクリートの成分からシリカゲルの制作を試みたが、シリカゲルとは異なるゲル状物質にしかならなかった。そこで、シリカゲルにある微粒物質の吸着作用が、コンクリートにもあるのではないかと考え、コンクリートのリン酸系イオンの吸着作用に着目して研究を進めた。実験では、リン酸二水素ナトリウム水溶液を用い、コンクリートの吸着作用を砂や小麦粉などの粒状物質と比較した。次にリン酸二水素イオンを最も効果的に吸着させるための方法について研究した。コンクリートを砕いて粉状にし、コンクリート粉をつめたカラムを通す方法やコンクリート粉と共に撹拌する方法などで吸着作用を比較した。
ヒト細胞を使った培養研究実験(宮城県石巻高等学校 1年・物理部)
活動の目的
ヒト繊維芽細胞を用い、環境が細胞に及ぼす影響について研究する。
活動の概要
最初に、細胞と環境の変化の関係を調べるために藻類と飽和食塩水を使い原形質分離の観察を行った。この結果から細胞は環境の変化によって自らも変化することがわかった。次にその研究を踏まえてヒト繊維芽細胞に異なる4つの素材を与え1晩培養した。素材は原液、10倍希釈、100倍希釈を用い、それぞれの違いも観察した。培養後、死んでいる細胞を染色し、生きている細胞数を数えた。その結果をグラフにまとめ、各素材および濃度での違いを考察する。またそれらの素材が今後どのような製品に応用できるかも考えた。
ABO式血液型とドーパミン関連遺伝子多型の関係(桐蔭学園高等学校 理数コース2年)
活動の目的
ヒトの身近な遺伝子について、どのようなメカニズムで個人差が生じているのかを知り、また遺伝子をどのような実験操作によって調べることができるのかを学んでいます。
活動の概要
日本で日常的に話題となる、「ABO式血液型は人の行動様式と関連があるのか」という疑問が、科学的に説明できるか、PCR法を用いて検証しました。ヒトのABO式血液型遺伝子は、第9番染色体上に存在し、その近傍には、ドーパミンβ-ハイドロキシラーゼ遺伝子(DBH)があります。このDBH遺伝子は、神経伝達物質ドーパミンをノルエピネフリンに変換する酵素遺伝子であり、ヒトの行動様式に影響をもたらす可能性があります。私たちは、この2遺伝子が多少連鎖して子孫に受け継がれると考え、DBH遺伝子の遺伝子多型について、血液型がA型の人とB型の人で、傾向が異なるかを確かめました。他のドーパミン関連遺伝子の多型についても、血液型により傾向が異なるかを調べました。
生分解性プラスチックを探してみよう!(敬愛学園高等学校 理科同好会)
活動の目的
強力な生分解性プラスチックの分解菌を効率よく探す。
活動の概要
水と二酸化炭素に分解される環境に優しい生分解性プラスチックの分解菌を探すことを目的に、私たちは実験を行った。
まず実験Ⅰで、土・植物など様々な環境から分解菌のスクリーニングを行った。これによりイネ科の植物、特にエノコログサから分解菌が発見されやすいことがわかった。また同じ植物でもその土と葉で結果が違うこともわかった。実験Ⅱでは、単離操作によって得られた分解菌の種類を同定するためにPCR法を行ったが、DNAの増幅が確認できずにいた。これにより分解菌が酵母か細菌のどちらかを判別しなければいけなかったことと、それによって反応するプライマーが異なり、違うプライマーを使用しなければいけないことがわかった。
―生きるか、死ぬか―ウスバキトンボの旅を追った(公文国際学園中等部・高等部 生物部)
活動の目的
日々生活している中で多くみられるにもかかわらず関心の薄い生きものに焦点を当て、身近にある生物の不思議を広く知ってもらう。
活動の概要
公文国際学園生物部では、全国各地に見られるウスバキトンボを捕獲し、雌雄比、体の大きさ、成熟卵数などのデータを統計的に処理し、ウスバキトンボの移動に関する秘密に迫った。その結果、ウスバキトンボの集まりやすい場所があること、捕獲される個体の雌雄比が著しく異なること、秋季のウスバキトンボはすべて未熟個体しか見られず、未熟のまま死を迎えると推測されることがわかってきた。ウスバキトンボはなぜ旅をするのかの結論はまだ出ないが、今後もウスバキトンボの生態の解明に挑んで、ウスバキトンボの旅の謎を解明していきたい。
身近な物質の、放射線遮へい効果(晃華学園中学校高等学校 放射線研究会)
活動の目的
放射線について調査や実験を行い、その結果を一般の人に伝え、正しい知識を持ってもらう。また、原子力を含めた将来のエネルギーについても考えている。
活動の概要
私たち放射線研究会は、放射線について、調査や実験をする団体です。これまで、研究施設を見学したり、大学の先生をお招きしてお話をうかがったりしてきました。また、霧箱の実験や、校内の放射線量測定も行っています。それらの成果は、文化祭や学校説明会で発表しています。今回は、学校にある鉱物見本や霧箱の線源などの放射性物質を、より安全で簡単に保管する方法を開発しようと考え、身近な物質の遮へい効果を測定しました。その結果、以外なものの効果が高いことがわかり、またそれを使った保管容器も考案しました。もしかしたら、この成果が、現在問題となっていることの解決につながるのではないかと期待しています。
海藻バイオマスのゲル化(小野学園女子中学校 3年)
活動の目的
東京農工大学・高知大学との連携により「未来の循環型社会の構築に向けたバイオマス研究の最先端を学ぶ」というテーマでサイエンスパートナーシッププログラムを実施した。
活動の概要
本活動ではバイオマスのうち、現存量は少ないものの成長速度の速さと四方を海に囲まれているという日本の環境から近年、注目が集まっている海藻バイオマスに焦点を当てた。そして海藻の主成分である多糖のアルギン酸(褐藻)、アガロース(紅藻)、カラギーナン(紅藻)についてゲル化の実験を行った。その結果、アルギン酸ナトリウムは人工イクラ作りで知られているように塩化カルシウムの添加によってゲル化すること、寒天は加熱-冷却によってゾル-ゲル転移すること、カラギーナンは単糖に含まれる硫酸基の数によってゲル化の程度が変わることが確認された。
合宿とフィールドで学ぶ生物多様性-私たちの3年間-(湘南学園中学校高等学校 理科研究部)
活動の目的
生物多様性保全に寄与することを目的に、合宿やフィールド活動を通して観察会や生物調査を行い、様々な地域の生物多様性を学んだ。ここでは活動全体の概要を発表する。
活動の概要
上記目的のために科学技術振興機構からの助成を得て、学校の近くの地域における自然観察会と湘南海岸の植生調査、希少植物であるハマボウフウの復元プロジェクトへの参加、里山における谷戸田の復元活動、群馬県みなかみ町の赤谷の森のおける生物多様性の観察と広葉樹の森の再生へ向けてブナ・コナラの実生調査とその後の追跡、宮城県栗原市の伊豆沼におけるマガンなどの大型冬鳥の観察および水生生物の生態調査を行った。
自然観察会では湘南や三浦半島にも興味深い生物が多いことを知った。また、里山の復元と維持にはたいへんな労力が必要なことがわかった。さらに、合宿では豊かな自然の貴重さを学び、外来生物の影響も知った。
身近な自然を学び、それを踏まえたうえで豊かな自然に触れたことで見えてきた「生物多様性」があるそうです。体験をもとにした視点に注目です。
ポリ乳酸のケミカルサイクルに関する研究(静岡県立御殿場南高等学校 生物部化学班1年)
活動の目的
枯渇の恐れの少ない天然資源由来の原材料として廃棄されるコメのとぎ汁に注目し、乳酸発酵を通して、乳酸の重合化を行うことで、生分解性プラスチックの可能性を探った。
活動の概要
現在の社会問題である廃棄物の排出量の増大等の深刻な問題を解決するために、食品廃棄物を有効に利用したいと考えた。主食であるコメから廃棄されるとぎ汁に着目し、グルコースやスクロース、乳酸菌や酵母菌が多量に含まれていることを利用して、乳酸発酵を試みた。ペットボトルを用いて、簡易嫌気的条件を作り、6日間、37℃恒温機で培養した。培養開始24時間後には、pHが急激に低下したことを確認した。得られた培養液をHPLCにより分析し、乳酸であることを断定した。得られた培養液から、エステル化法により乳酸の単離を試みたが、簡易的な蒸留装置や脱水装置などでは単離できなかった。現在、培養液から純乳酸を単離させる方法を検討している。
プラナリアの自己消化」(山梨県立都留高等学校 プラナリア班)
活動の目的
切断実験による死亡率の変化から、プラナリアの自己消化の原因と仕組みを調べる。
活動の概要
メスに対しては不死身なプラナリアも、摂食後に切断すると死んでしまう。これは全身に行き渡る消化管内の消化酵素によって自己消化されてしまうからと考えられている。わたしたちはこの自己消化現象がどのように生じるのかに興味をもち研究している。
切断実験においては、切断後4日に死亡率が減少した。採集・飼育結果ととともに、熱による崩壊の様子を紹介し、今後の実験の方針について考察した。
次世代の生物の見方~DNAから見たメダカの性~(東京農業大学第一高等学校 生物部DNA班)
活動の目的
困難になりつつある、視覚的観点による生物の見方を改め、DNAによる考察方法を模索する。まずは、メダカの雌雄判別をDNA解析を用いて行う。
活動の概要
実験の目的は、メダカの性判別を行うことである。視覚的に雌雄の判別を行うことは可能であるが、確実ではない。そこで、DNA検査を行うことで、雌雄の判別を行う。性染色体中に“DMRT1”と“DMY”という性決定遺伝子が含まれており、これが発現することで性染色体として機能する。これを利用すればPCRと電気泳動によって正確にメダカの雌雄判別を行える。実験ではメダカの性決定遺伝子“DMRT1”と“DMY”に作用するプライマーを使ってPCRを行い、性が確実に同定できるようにする。その後、ダイデオキシ法を用いて塩基配列を解読し、既存のデータベースと照合することで、PCRが正常に行われたか確証を得る。
流星の電波観測事始め(東京都立府中工業高校 有志流星の電波観測班)
活動の目的
24時間、365日観測を行い流星群を解明していく。
活動の概要
数日に1回データを集計して全体をグラフ化している。また、流星群ごとに集計を行っている。
12月8日(世界時)カナダで幻のアンドロメダ座流星群が突発出現が捉えられました。府中工業では捉えられたのでしょうか!?例年鮮やかに活動するふたご座流星群の観測にも注目です。
ミドリムシの培養と商品開発(神奈川県立平塚農業高等学校 食品科学科3年C組課題研究「ミドリムシ班」)
活動の目的
いま話題のミドリムシの培養方法を調べると共にその利用方法も合わせて研究する
活動の概要
総合的学習の時間の代替科目として農業高校では「課題研究」という科目が3単位設定されています。この時間を利用して、①国立環境研究所から分譲されたユーグレナ・グラシリスの培養条件の検討②株)ユーグレナさんから分譲して頂いた乾燥粉末で商品開発③自分たちで培養したミドリムシで商品開発という3つのステップで研究してきました。緑色の鮮やかなクッキーや焼き物を提案させて頂きます。
牛久の自然Ⅸ 牛久沼の生き物たちのメッセージ(牛久市立牛久第三中学校 科学部)
活動の目的
「牛久沼の再生」を目標として掲げ、水質・植生・トンボ生態・鳥調査から、牛久沼の現状を探り、今後の牛久沼の環境改善の足がかりにしたいと考え、研究を行った。
活動の概要
本校科学部では、学校のすぐ南西に位置する牛久沼周辺の環境について、水質・植生・トンボ・鳥などの調査を9年間にわたって行ってきた。今年度も、引き続き牛久三中周辺や牛久沼・周辺河川に置いて、野外観察を中心に調査を行い、それぞれの生き物の繋がりと環境について考えた。
一見すると汚れている牛久沼であるが、多くの生物が環境の変化に合わせて住みかを変えながら、生息している。9年間の研究を通して、牛久沼に生息する多くの生き物たちを知り、人との共生を考えることが、「牛久沼の再生」のために大切であることがわかった。
オカダンゴムシの交替性転向反応について(福島県立磐城高等学校 SSH探究生物コース2年)
活動の目的
オカダンゴムシの交替性転向について調べる。
活動の概要
交替性転向反応とは動物が移動する際、右→左→右→左と交互に転向方向を変える傾向が強く現れる性質のことである。オカダンゴムシの交替性転向の研究では、被験体の向きを強制的に転向させる強制転向点(F)、被験体が左右どちらに進むかを選択する選択点(C)を設けたT字迷路が用いられる。FC間の距離が16cmより短い場合は交替性転向が見られるが、それより長い場合は、見られなくなるという報告があった(渡辺・岩田、1956)。しかし、16cmでも交替性転向が見られるという報告もある(川合、2011)。そこでFC間16cm以上でも交替性転向は見られるのかを確かめた。また、この交替性転向はどのような仕組みで生じるのかを調べた。
ミミズによる堆肥作成の研究~捨てればごみ、使えば資源~(福島県立会津学鳳中学校・高等学校 SSH探究部1年ミミズ班)
活動の目的
福島県の有機栽培農家は、先の原発事故により安全な堆肥の入手が困難な状態にある。私達はミミズによる、食品廃棄物を使用した堆肥作成を行い、復興に役立ちたいと考えた。
活動の概要
私達が暮らす会津に生息するミミズを調査して、ミミズコンポストによる堆肥作成に適したミミズの選定と調査を行う。堆肥の原料として、スーパー等で大量に発生するカット野菜を使用する。
今年度は会津に生息するミミズを採取して種の同定を行った。形態による同定をDNA解析により確認して、形態同定の信頼性と種ごとの分布状況を確認した。また、土壌成分(P・N・pH、粒状構造)の調査も併せて行い、その結果をもとにカット野菜の分解に適したミミズの選別と堆肥作成を目指す。
石垣ディスカバリーサイエンスキャンプ環境研究報告(石垣島環境調査チーム)”]
活動の目的
珊瑚礁の海やマングローブ林が広がる石垣島の自然は日々変化しています。本研究では、島の環境や生活を地元の方々と研究することで、島の未来を考えます。
活動の概要
本発表では、関東や関西の中高生が石垣島を訪れ、4日間の滞在にて島の自然、生活、文化を体験、研究した成果を報告します。マングローブ林の植生調査・水質調査では、マングローブ林の植生の変化や人々の生活を及ぼす自然への影響を見いだしました。また、地元の方々による豆腐作り・黒糖作り実験では、生活に活かされている昔ながらの知恵をサイエンスの視点で解明することができました。これらの調査研究を通して、石垣島の住民でも気付かなかった自然の変化や昔ながらの生活の知恵を明らかとし、石垣島の自然や伝統技術を守る方法や新たな魅力について提案します。
参加申込はお早めに!
興味があるテーマが見つかった際は、ぜひ会場まで発表を聴講にお越し下さい。発表要旨集等の当日配布物の準備の兼ね合いで、お早めのお申し込みにご協力頂きますようお願い申し上げます。
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