株式会社ダイセルは、化学の力でモノづくりを支え、世界中のあらゆる「かたちあるもの」を通じ、私達の生活に関わってきました。「愛せる未来、創造中。」を合言葉に、同じ志の仲間と価値の共創を広げています。今回、化学の枠を越え「愛せる未来」につながる研究テーマに対し、価値共創賞を設置します。モノづくりに限らず、仮説検証を行いながら取り組んでいる研究であれば何でもOKです。何にでも好奇心を持つ人を支援します。
【年間スケジュール】
「愛せる未来」につながる、ありとあらゆる研究や開発
募集対象 | 研究活動を行う中学生、高校生、 高等専門学校生(3年生以下) |
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使用用途 | 研究に要する経費(材料費、部品等購入費、設備費、交通費等。ただし、飲食代は除く) |
申請締切 | 2024年7月19日(金)18時 |
研究期間 | 2024年9月〜2025年2月 |
参考URL | https://www.daicel.com/ |
主催 | 株式会社ダイセル |
助成内容 | 研究費 100,000円/有識者による研究メンタリング/採択授賞式/成果発表会実施 |
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採択件数 | 5件程度 |
募集期間 | 2024年6月1日〜7月19日 |
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申請締め切り | 2024年7月19日(金)18時 |
面談期間 | 2024年10月〜2025年2月 |
面談に関して | 平日、オンラインで行います。 面談対象者には、申請締め切り後、1週間後を目処にご連絡いたします。 上記面談期間のうち、面談不可の日程がありましたら、事前にお知らせください。 |
採択発表 | 9月上旬予定 |
研究費支給期間 | 2024年9月末日予定 |
研究期間 | 2024年9月から2025年2月 |
キックオフイベント | 2024年9月上旬予定(オンライン開催) |
成果発表会 | 2月に実施 ※東京都内もしくは大阪府内での実施 |
規約及び本ページの募集要項を確認の上、内容に不明点がある場合はご相談ください。
申請を希望する中高生は、代表者かどうかに限らずチーム全員のリバネスID登録が必要になります。研究費エントリー画面はリバネスIDログイン後に表示されますので、リバネスIDに登録をお願いします。
学校活動の一環として実施する場合は学校教員の同意書(学校用)を、そうでない場合はチームメンバー全員の保護責任者の同意書(個人用)を準備してください。同意書の雛形は以下からダウンロードください。
上記をダウンロードの上申請フォームにアップロード下さい。
リバネスID内の以下のアイコンをクリック、「新規申し込み」ボタンより、申請書を作成ください。
次世代とともに “愛せる未来” を創る
1919年、天然の材料から生まれた世界初のプラスチックであるセルロイドを生産する8つの会社が1つになって生まれた株式会社ダイセル。100年以上にわたって、プラスチックやフィルム、高機能材料、エアバックインフレータなど、化学の枠を越えたものづくりを行ってきた。2024年4月には「愛せる未来研究所」を設立し、人間性を意識しつつ持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速させている。今回、新たに中高生のために「サイエンスキャッスル研究費価値共創賞」を設置し、好奇心豊かな次世代の仲間による「愛せる未来」の実現に向けた挑戦を応援する。
原点にあるもの、引き継がれるもの
ダイセルの起源は1919年に遡る。世界初のプラスチックとして開発されたセルロイドの製造・販売で世界をリードしていたダイセルだが、その一方でセルロイド製造に使用する樟脳の原料である天然のクスノキの濫伐(らんばつ)が問題となっていた時代でもあった。
そこでダイセルの創業者たちは、過当な競争でクスノキを濫伐せずに森を守り、セルロイドの加工技術を育てる等、セルロイドに関わるすべて人々が共存共栄で持続可能なサプライチェーンを構築し事業を展開していった。この精神は、100年以上経った今なお、脈々と受け継がれている。ダイセルは、化学の力を基盤に、時代のニーズに応える多様な製品を生み出し、「価値共創で人々を幸せにする会社」という変わらぬ志を胸に、化学の枠を越えて、幅広い分野でグローバルに事業を展開し、社会と人々に役立つ素材を提供している。
心から「愛せる未来」へ向けた挑戦
ダイセルが提唱する「バイオマスバリューチェーン」構想は、国土の約7割を占める森林資源をバイオマスとして活用することを起点に持続可能な循環型の産業構造を作るものだ。木を丸ごと溶かすことができる独自の低温溶解技術の開発により、森林の再生や地域経済の活性化、資源の循環をも同時に実現する未来像を描いている。この未来像の実現にむけ、2023年、研究開発拠点として、金沢大学と共同でバイオマス・グリーンイノベーションセンター(BGIC)を立ち上げ、新産官学連携を始めた。余剰バイオマスから高機能・高付加価値な製品を創出する技術の確立や工業化検討など、顧客ニーズに基づいた応用研究・開発に幅広く取り組んでいる。さらにカーボンニュートラルにむけた取り組みの一つが、CO₂を還元しCOに変えることで原料にする「太陽光超還元®︎」という技術開発だ。これまでCO₂分解には大きな電力が必要で、その電力を生み出すには大量のCO₂を発生させてしまっていたが、この技術は太陽光のエネルギーを利用してCO₂を一酸化炭素と酸素に分解することができる。これを可能にしたのは、エアバッグを瞬時に膨らますダイセルのコア技術の一つである火薬工学の知見を活用した、わずか3-5 nmのサイズのナノダイヤモンドを生成できる技術の活用による。このナノダイヤモンドにより効果的にCO₂の還元反応を起こし、さらにナノダイヤモンドは劣化しないため半永久的に反応を継続できる。この他にも、たった7×3 cmのガラスプレート上に超微細な溝を張り巡らせ、理想的な化学反応を起こせる超小型化学プラント「マイクロ流体デバイス」を開発し、超効率的なモノづくりにも挑戦している。
こうしたダイセルの挑戦は、ほんの一例にすぎない。今まさに、これまでの発想を超えた取り組みや、同じ志を抱く仲間との価値の共創を広げ、持続可能でより豊かな社会の実現に挑戦中だ。こうした挑戦の原動力には、創業当初から想い続けている志をともにする人々が心から「愛せる未来」の姿がある。
想像を実現させるために
「愛せる未来、創造中。」これは事業の先にある未来を、持続可能で豊かなものにしたいという想いから生まれたダイセルの合言葉だ。今、私たちが心から愛せる未来はまだ夢の中にある。今回設置するサイエンスキャッスル研究費価値共創賞には、一人一人が抱く熱い想いから生まれる自由な発想を応援し、それぞれの「愛せる未来」を実現したいという想いがこめられている。「これまでの常識に捕らわれない型破りな発想、『これは面白いんだぞ!』と自分自身が胸を張って言えるテーマなど、心の中に持っている研究に対する熱い想いを、分野にとらわれずぶつけてきてほしい」と浅井氏。「愛せる未来」は、思い描くだけで終わらせてはならない。描いた未来を実現させるため、ダイセルの挑戦はもちろんのこと、キャッスル研究費に応募してくる生徒たち、一人一人の想いがこめられた挑戦をも応援し、共に一つずつかたちにしていく。世代を超えて、創造し続けていくことで、各々の「愛せる未来」は確実にやってくるに違いない。
「バイオマスバリューチェーン」構想
日本の国土の7割 を占める森林を石油化学原料の代替として 活用することで循環型の産業構造を作り、低炭素社会の実現を目指すもの。林業、農業、水産業といった第1次産業と第2次産業(素材産業)の産業資源を永続的に循環させ、共創による地域経済を活性化し、社会課題の解決を狙う。
ただ今、募集中のサイエンスキャッスル研究費はありません。