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中高生が人工衛星の基本設計作成へーKIMOTSUKI SPACE CAMP 2018 実施報告

2018.02.18
中高生が人工衛星の基本設計作成へーKIMOTSUKI SPACE CAMP 2018 実施報告

2018年2月10日から2月12日の3日間、KIMOTSUKI SPACE CAMP 2018を実施しました。昨年度の「ミッション作成」から、今年は「基本設計作成」へステップアップ。7名の精鋭メンバーで取り組んだ熱い3日間の様子をご報告します。

1日目

県外からの参加者(4名)は鹿児島空港に集合。そして、地元肝付町で宇宙学科を置く鹿児島県立楠隼中学校・高等学校からの参加者(3名)も会場のコスモピア内之浦に合流し、キャンプがスタートしました。

肝付町の永野和行町長にも歓迎のご挨拶を頂きました。日本の宇宙開発がはじまった地ー肝付町から、中高生による本気の宇宙開発がスタートしました!

町長と一緒に集合写真

1日目は早速インプットを開始しました。宇宙教育をすすめる株式会社うちゅうの代表取締役の坪井俊輔さん、実際に人工衛星の研究を行っている、筑波大学結プロジェクトの学生代表の永田晃大さんから人工衛星の歴史や可能性を学びました。

人工衛星は設定したミッションを担う「ミッション部」と、衛星の運用を支える「バス部」の2つに分けられます。今回は「バス部」に注目して基本設計を書き上げました。システムエンジニアリングについて学んだあとは、まずバス部の6要素「姿勢、構造、通信、C&DH(Communication and Data Handling Subsystem)、電源、熱」について、概要とそれぞれの関連について学びました。これらの6つの要素は他の部分と密接に関わっていることがポイントでした。

バス部の6要素の関連性をクイズを解きながら見つけていました。

バス部の概要を理解したら、いよいよ本格的にインプット!実際に打ち上げられたUTYU衛星(仮名)のPDR(基本設計審査会:Primery Design Review)資料から6要素の「目的、要求項目、設計思想・設計手法、仕組み」を読み取り、各担当に分かれてその内容をポスターにまとめました。

ポスター発表

2日目

盛りだくさんの2日目は、衛星の信号を受信するためのアンテナづくりからスタートしました。宇宙を飛んでいる衛星からの情報は、手作りの八木アンテナでも受信することができます。みんなで内之浦の青空にアンテナを向けると、、人工衛生が発するモールス信号を受信することができました!!受け取った信号を解析するとたった2文字でしたが、宇宙の人工衛星の声をみんなで知ることができました。

信号受信!

この日は内之浦宇宙観測所の見学にも行きました。1月18日にはイプシロンロケット3号機、2月3日にはSS-520、が打ち上げられたばかりの射場には、参加者全員が興味津々でした。以前に射場で働いていらしゃった、きもつき宇宙協議会の森永幸平さんから、人工衛星を打合げた当時のお話しや何故内之浦が射場に選ばれたのかを教えて頂きました。また、宇宙科学資料館や打ち上げの際はスタッフの方々がお参りすると言う長坪地区の神社や、打上げの際は長坪地区の方々が避難していた退避壕を見学し、内之浦の人々が射場とともに暮らしてきた歴史を実感しました。

コスモピア内之浦に戻ったら新たな人工衛星の基本設計を作成を開始しました。新しいミッションは「新型超小型3軸姿勢制御モジュールの実証試験」。宇宙空間での姿勢制御が変わるかもしれない、新たな挑戦です! 実証試験ができたら、いつかは宇宙で活躍するロボットに搭載されるかもしれません。

まずは、昨日勉強したUTYU衛星から変更しなくてはいけないところを洗い出し、それぞれ他のバス部への影響も考えた上で変更点を発表しました。しかしここで問題が発生しました。肝心のミッションに使う新型モジュールが、超小型人工衛星の箱の中に入りません。

そこで、優先順位をたてなおし、みんなで内部にいれるものを考え直すことにしました。ダンボールで実際のモジュールの模型も作り、議論を深めました。

問題解決のため優先順位を考え直しました。

各モジュールの模型を作り、議論を重ねました。

やっと入った!!最後は基本設計審査会に向けてプレゼン作成!

3日目

とうとう最終日。初日に来てくださった永野町長に向けて3日間の成果を報告すべく、わかりやすく、論理的な発表を目指してプレゼンテーションづくりに取り組みました。

プレゼン作成中

最終発表!みんな立派に発表しました。

発表資料はこちらからご覧になれます。

3日間頑張った皆さんに修了証を渡して終了。3日間で本当によいチームになりました!

立派に人工衛星開発者への第一歩を踏み出しました。

3日間宇宙漬けで過ごした参加者からは次のような声が聞かれました。

  • 最初にPDR書類を配られたときは全く内容が分からなかったが、2日目になるにつれてわかってきたので、自分の為にも勉強になった。
  • はじめての参加だったが、宇宙開発の本場で本気の自分たちの宇宙開発ができたので良かった。今自分たちはPDRという開発スタートの部分だけれど、開発を進めて本当に飛ばせるようになったらぜひ皆さんにも協力頂きたいです。
  • 設計はとても難しかったが、みんなの協力を得て自分の目標を達成することができました。本当に楽しかったです。

弊社では、この三日間で「中高生でも人工衛星の設計を作ることは可能」ということが示されたと考えています。これからも中高生による人工衛星打ち上げ・運用の実現に向けて活動を続けていきます。このプロジェクトに協力いただける企業、個人、団体の皆さんはぜひお声がけください。一緒に中高生でも人工衛星打ち上げを実現できるという新たな歴史の1ページを作りましょう!

キャンプ概要

日時:2018年2月10日(土)ー2月12日(月)
場所:鹿児島県肝属郡肝付町
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構内之浦宇宙空間観測所
コスモピア内之浦 等
主催:肝付町
企画・運営:株式会社リバネス
協力:株式会社うちゅう
旅行業務:鹿児島県旅行業協同組合 魅旅

 

本件に関するお問い合わせ

株式会社リバネス地域開発事業部
電話:03-5227-4198 メール:[email protected]