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昆虫はいつどのように体温を調節しているか/熊本県立東稜高等学校 生物部昆虫班

2019.01.10
昆虫はいつどのように体温を調節しているか/熊本県立東稜高等学校 生物部昆虫班

サイエンスキャッスル2018 最優秀賞受賞チーム紹介

九州大会最優秀賞

熊本県立東稜高等学校 生物部昆虫班

発表者名:佐藤さくら、後藤健人、武田愛梨、小城乃野華、上野恭旺、荒川拓美、永本遥菜、東田愛美、坂本実優

指導教員:田畑 清霧 先生

生徒が見つけ、研究への熱を引き出す指導で進化する「昆虫の体温」研究

九州大会で見事最優秀賞を獲得したのは、多くの人が変温動物と考えているだろう昆虫にも、時と場合に合わせて体温を上昇させ、その調整方法も使い分けるものがいる、という興味深い発見をした熊本県立東稜高等学校チームであった。8年かけて引き継がれてきたこの研究を支えてきたのは、生徒の興味を引き出しつづける、先生の独自の指導スタイルがあった。

本当の不思議を見極める文献調査

研究活動を指導する先生なら、必ず頭を悩ませるのが研究のテーマ探しではないだろうか。「テーマは、学校内外で生徒たちを遊ばせながら見つけさせます。学校内を散策したり、何気なく目にとまったもの、例えば窓辺にいたアブラムシなんかからも話をひろげて研究テーマにならないか考えたりします」と田畑先生は言う。また、そうやって遊ばせる中で生徒を観察し、それぞれの生徒が興味関心を示す内容など、生徒の特徴をつかんでいくのだそうだ。しかし、面白いと思っただけでは、研究テーマにしない。興味が湧くものを見つけたら、まずじっくり観察し、次は文献調査だ。興味や疑問に思ったことについて、インターネットを使い徹底的に調査させる。調べていくと、原因や理由がすでにわかっている事も多く、実際に研究テーマになる題材は少ない。「あとは、私の疑問に答えたり、面白いと思わせたりする必要があります」と、田畑先生は愉快そうに語る。しかし、生徒自身が興味を持った事だからこそ、根気よく調べてくるのだそうだ。そして、本当に調べられていない不思議を見つけたとき、いよいよ研究がスタートする。研究がはじまってからの田畑先生の仕事は、もっぱら「質問すること」で、わからないこと、疑問に思うことを伝えてそれを考えさせる。自分で見つけた研究は自分で考えさせるというのが、先生の考えだ。

生徒間で引き継がれる、研究のノウハウ

昆虫のテーマは、来年度で9年目に入る。毎年新しいテーマが生まれるわけではなく、継続するテーマも生まれるわけだが、文献調査の重要性は変わらない。しかし、研究が継続されることで生まれるメリットがあると田畑先生は言う。研究を始めて数年は、生徒と一緒に文献調査などを行っていたが、継続していくと、次第に先輩と後輩の間で分野に関する知識や検索のノウハウが共有され始め、 指導しなくても調査できるようになるのだ。「校内が広いので、虫などの生き物がたくさんいるんです。身の回りを観察させながら、のびのびと研究させています」と田畑先生は楽しそうに語る。生徒たちが見つける身近な不思議 と、先生による絶妙なサポートから、次はどんな発見が生まれるのだろうか、これからの研究に注目していきたい。

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