ホーム 先生向け情報 文理融合でAI技術を社会に活かす人材を育てる

文理融合でAI技術を社会に活かす人材を育てる

86
0

追手門学院大学が、心理学部の中に人工知能領域を学べる「人工知能・認知科学専攻」を新設した。その背景には、AI技術の発展とこれからの社会に求められるAI人材の育成において、人工知能領域と、心理学の中でも特に人の認識と行動に焦点を当てた認知科学領域との組み合わせによるアプローチが重要との考えがある。

otemon02

追手門学院大学 名誉教授・学長室特別顧問
乾 敏郎 文学博士)

大阪府生まれ。1976年に大阪大学大学院基礎工学研究科生物工学専攻修士課程修了(工学修士)。1985年に京都大学大学院にて文学博士を取得。1995年京都大学文学部教授、1998年より京都大学大学院情報学研究科教授に着任。2015年には、同大学名誉教授、追手門学院大学教授。2021年より現職。専門分野は社会認知神経科学、計算論的神経科学。

「人にやさしいAI」を社会に活かすAI人材

誰もが耳にするようになった「AI(artificial intelligence;人工知能)」。国も「AI戦略2019」にて、2025年には年間25万人のAI人材を育成することを目標に掲げている。すでにAI技術は私たちの生活の中でも活用され始めており、今後も多くのAI技術が暮らしを支える技術として実装されていくだろう。そのためには、「人がより使いやすいAI技術」が重要と話すのは、追手門学院大学名誉教授の乾敏郎氏だ。「人間を理解した上でAI活用を社会に提案できる人材が理想です」。乾氏は、人間がもっている社会性がどのように形成されているかを脳の仕組みから解明する研究を行なってきた。そういった自身の経験をもとに、人間の思考や記憶、知覚といった知的機能とその仕組みを探求する認知科学の知識が、これから求められるAI人材に必要だと考えている。

文系学問領域の知識がAI技術の基礎となる

実は、人工知能領域はいわゆる文系学問との関連が強い領域でもある。例えば、今ではインターネット上で誰もが使用できる機械翻訳ツールは、膨大な量の文章データを学習したAIが、入力した文章を自動で翻訳してくれるものだが、その基礎になっているのは「言語学」の知識だ。私たちが話したり書いたりしている文は「構文」に則っており、構文から外れた文は、その意味を理解できない。機械翻訳のAIは、深層学習(ディープラーニング)によって構文を「学習」することによって、近年劇的に進歩した。もともと「学習」は心理学においても非常に重要な研究テーマで、多くの心理学者の知見が深層学習の技術発展に貢献しているのだ。「心理学部をもつ追手門学院大学が人工知能領域に学びを広げるのは自然な流れだと考えています」と乾氏は語る。

2つの領域の卓越した研究者から学べる専攻

新たな専攻では、人工知能領域と認知科学領域を広く学べる環境が用意されている。この新しい専攻で新しい学びを提供するにはどういった教員の布陣が最適か、乾氏が中心となってゼロベースから検討した。アカデミアで優秀な研究者だけでなく、企業での研究経験をもつ研究者も新たに外部から集め、多様な教員たちから、2つの領域について広¥く学べるカリキュラムを組んでいる。「AI技術は、今後、人々の暮らしの中のあらゆる場面で貢献できるはず。難しい技術でも、まずは使えるようになることを目標に取り組める、やる気のある人にチャレンジしてほしいですね」と、乾氏も意気込んでいる。これからのAI技術の可能性に興味がある生徒に、ぜひ新専攻の門を叩いてほしい。

追手門学院大学 心理学部 人工知能・認知科学専攻

入試情報、カリキュラム、所属教員等の詳細はこちらをご覧ください。

教育応援 vol. 50』より

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here